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職場・会社のかたに
出産内祝いを贈るときのマナー

マナーの専門家
現代礼法研究所代表 岩下宣子先生 監修

職場・会社の上司や同僚、取引先のかたへの出産内祝いを贈る際、どのような点に気をつければよいのでしょうか。お品選びのポイントや渡し方など、マナーを確認しておきましょう。

職場・会社のかたに出産内祝いを贈る時期・タイミング

出産祝いをいただく時期は、出産直後から産後しばらく経ったころまでまちまちですが、基本的にはお祝いをいただいてから1か月以内を目安に贈ります。
育児休暇でしばらく職場を離れている場合、職場復帰後に出産内祝いを贈るのではなく、出産後1か月から遅くとも1か月半ぐらいまでには職場・会社に直接品物を持って行き手渡しするか、郵送や配送で送りましょう。

出産後の母子の体調や、慣れない赤ちゃんのお世話に奮闘しているうちに、気がつけば出産内祝いを贈るのが遅くなってしまうこともあるでしょう。そんなときは無理をせずに、母子の体調と赤ちゃんのいる新生活に慣れることを優先し、少し落ち着いたころに、お詫びのひと言を添えて贈れば問題ありません。

内祝いの時期・タイミング

職場・会社のかたへの出産内祝いの渡し方

出産のお祝いをいただいたら、感謝の気持ちをこめて贈る出産内祝い。上司や先輩、同僚のかたには直接、職場・会社に伺って手渡しで贈りたいと思っていても、赤ちゃんが生まれてからはなにかと忙しく、外出ができない状況などで直接渡すことが難しいときもあります。一方、郵送や配送で贈るのは失礼にあたらないか、気になるかたもいるでしょう。職場・会社のかたへ出産内祝いを贈るときのマナーをご紹介します。

職場・会社で出産内祝いを渡すときの注意点

内祝いは、「いただいた出産祝いへのお返し」と考えるのが一般的ですが、内祝いを渡すときには、「お返し」という言葉は使わないのがマナーです。
本来の「内祝い」は、出産祝いをいただいたかどうかにかかわらず、出産のご報告とごあいさつをすることを意味し、目的は“幸せのお福分け”です。品物を渡すときなどに、「お返し」といってしまうとあまりよい印象を持たれない可能性があります。

また、「出産内祝いになります」「お贈りさせていただきます」のような誤った言葉遣いには注意しましょう。敬語などのていねいな言葉遣いは礼節を重んじているように感じられますが、多用しすぎたり重ねたりしてしまうと、かえって失礼にあたることや見下されているのではないかと思われることがあります。事前に言葉遣いや敬語について、確認しておくとよいでしょう。
とくに、人生経験豊富な年配のかた、上司や目上のかたの中にはマナーを重視するかたがいることもあるため、マナーを守ってていねいな内祝いの渡し方を心がけることが大切です。
※「~になります」は変化するときに使います。
例:何時から通行止めになります。
※「~させていただきます」は相手に許しやお詫びをこいながら自分の利益になるときに使います。

直接、職場・会社に訪問して手渡しで内祝いを贈る

職場・会社に直接ごあいさつに伺い手渡しで内祝いを渡す際は、事前に連絡をして、テレワーク・在宅勤務や勤務時間、食事の時間を避けてお相手の都合のよい日時にお伺いするのがマナーです。

職場・会社には、親しい間柄で出産祝いをいただいたかたも、やや疎遠な関係でお祝いの品物をいただかなかったかたもいます。お祝いをいただかなかったかたの前で、出産祝いをいただいたかたにお礼をいうのは双方を不快な気持ちにさせてしまう恐れがあるため避けましょう。

また、内祝いの品を職場・会社で手渡しする場合は、帰宅時に荷物にならないようにかさばらない品物を選び、持ち帰りやすいように紙袋(手提げ袋)を持参するように配慮しましょう。
職場・会社で手渡しする場合は、持ち帰らずに職場・会社で食べて消費できる常温保存ができるお菓子などを贈るのもおすすめです。お相手の好みで選んで、どうしても荷物になってしまうような品物を贈る場合には、お礼は口頭で伝えて、後日お礼状とともに品物を郵送または配送するのもよいでしょう。

直接手渡しで贈るマナー

職場・会社のかたに手渡しでなく郵送や配送で内祝いを贈る

内祝いの品を職場・会社で手渡しすることは、ていねいな対応ではありますが、テレワーク・在宅勤務でお相手の都合に合わせ職場・会社で直接会うのが難しかったり、赤ちゃんが生まれてからはなにかと忙しく、外出ができない状況などで直接渡すことが難しいときもあります。出産内祝いを通販で購入して直接お相手に郵送や配送することはマナー違反ではありません。

郵送や配送で贈る場合、お相手の都合に合わせて職場・会社へ伺うタイミングを調整したり、お祝いの品物をいただかなかったかたの目を気にすることなく、お礼を伝えることができるのもメリットです。
また、お相手に直接届けることができるので、かさばったり、重たいものでも贈りやすく、お相手の好みに合わせて自由に品物を選ぶことができます。

郵送や配送で贈るマナー

お相手に合わせたお品選びのポイント

職場・会社の上司や同僚、グループ、取引先のかたなど、出産内祝いの品は、お相手に合わせて品物を選び贈り分けするとよいでしょう。

連名でお祝いをいただいた場合

職場・会社の部署や同僚・後輩などのグループ、取引先などから合同・連名で出産のお祝いをいただいた場合、どのような品物を贈るとよいか、お品選びのポイントをご紹介します。

金額の相場

連名で出産祝いをいただいた場合も、内祝いの金額は、半額~3分の1程度が相場になります。「いただいた品物の金額」の半分÷人数を目安に、一人ひとりにお渡しすると喜ばれます。

お相手の人数が多く、一人当たりのお返しが数百円程度になってしまう場合は、職場でみんなが食べられるお菓子や小分けされていて個包装の分けやすい詰め合わせギフトなどをまとめてお返しした方が、お相手に気を遣わせることもなく自然です。しかし、複数の取引先による連名のお祝いの場合は、取引先ごとに個別に贈るようにしましょう。

お品選びのポイント

職場・会社などのグループからいただいたお祝いのお返しは、小分けされていて個包装の詰め合わせギフトがおすすめ。職場の部署やグループからいただいたお祝いのお返しは、贈られたかたがたが分けたり、配ったりしやすい心遣いがポイントです。

詰め合わせギフトの画像
休憩中に職場のみなさんが気軽に楽しめるような、お菓子やコーヒー、紅茶の詰め合わせなどがよいでしょう。みなさんに行き渡るように、数量が十分あるものを選ぶようにしましょう。
プチプラギフトの画像
一人ひとりに個別で郵送などで渡す場合は、ちょっとしたお菓子やミニタオルやなど、500~1,500円程度のプチプラギフトを贈るのがよいでしょう。
避けるべき贈りもの

職場・会社に食品を贈るときは、小分けされていないものだと、取り分けするためのナイフや人数分のお皿、フォーク・スプーンが職場になくて困るケースが考えられます。また、テレワーク・在宅勤務などで、出社日の都合で遅れて受け取るかたもいるため、個包装されていない賞味期限が短く常温保存できないものは避けましょう。

上司・先輩へ出産内祝いを贈る場合

上司・先輩が部下に必ずお祝いをされるかただとしても、すべての部下や後輩が出産するわけではありません。また、出産祝いをもらってないかたがいる前で手渡しで贈ると気まずかったり、出産祝いをしなかったほかの上司・先輩へのことも考え、上司への内祝いは手渡しより自宅へ送るほうがよいでしょう。職場・会社の上司・先輩へどのような内祝いの品物を贈るとよいか、お品選びのポイントをご紹介します。

金額の相場

上司・先輩への出産内祝いは3分の1程度にしましょう。上司や先輩からの出産祝いの相場は5,000円~1万円程度が多く、内祝いは2,000円~3,500円程度が相場になります。
思いがけず高額なお祝いをいただいた場合でも、3分の1程度でも問題ありません。お相手は「赤ちゃんの誕生を祝って、赤ちゃんとあなたの大切な時間を応援したい」という純粋な気持ちで高額のお祝いをしてくださったのかもしれません。相場どおりに“半額”でお返しすることよりも、お礼状やメッセージカードに感謝の気持ちを書いて伝えましょう。感謝の気持ちを伝えるひと品を添えたセットギフトもおすすめです。

お品選びのポイント

上司・先輩への内祝いで悩ましいのは品選びです。お相手の好みを知っていれば日用品や雑貨でもかまいませんが、自信がなければ、だれもが知る有名ブランドの定番ギフトや高級感のある内祝いがおすすめです。ご自宅で楽しんでいただけるお菓子やジュースなど、甘いものが苦手なかたには、お酒やお総菜を贈るのもよいでしょう。

厳選グルメギフトの画像
一人暮らしなのかご夫婦のみなのか、お子さまがいる家庭なのかなど、上司・先輩によって家族構成はさまざまです。家族構成を考えた品物を贈ると喜ばれます。とくにお子さまがいる家庭には、家族で分け合えるお菓子やグルメギフトなど、食品が人気です。
プチプラギフトの画像
高額なお祝いをいただいた場合や、産前に仕事でお世話になったかたには、感謝の気持ちを伝えるために、ひと品添えたセットギフトもおすすめです。
避けるべき贈りもの

上司・先輩への内祝いには現金や金券は避けましょう。困ってやむを得ず選んだという印象を与えかねません。お相手の好みがわからずお品選びに困った場合は、カタログギフトもおすすめです。
また、肌着や靴、靴下などの生活必需品も選ばない方が無難です。肌着や靴、靴下などの生活必需品を買えないぐらい「生活に困っている」、文具は「もっと勉強するように」という意味に受け取られかねませんので注意しましょう。
また、子どもの名前などが入ったアイテムは避けるのが無難です。

同僚・部下へ出産内祝いを贈る場合

職場・会社の同僚・部下から個別に出産のお祝いをいただいた場合、どのような品物を贈るとよいか、金額の相場やお品選びのポイントをご紹介します。

金額の相場

同僚への出産内祝いは半額~3分の1程度で、喜んでもらえるものを選びましょう。部下や後輩への内祝いは、先輩としての姿勢を見せるため“半額”のお返しが多いようです。
お花や小さなおもちゃなど、少額なちょっとしたお祝いをいただいた場合は、500~1,500円程度のプチプラギフトでお返しをしましょう。

お品選びのポイント

同世代の同僚に喜ばれ自信を持ってお贈りできる人気の有名ブランドや、話題性のあるおしゃれなブランド、かわいらしくセンスのよい贈りものがおすすめ。人気ブランドの雑貨や有名ブランドのスイーツなど、お相手の顔を思い浮かべながらおしゃれなお品選びを。
部下や後輩には、話題のスイーツなどのトレンドを押さえた出産内祝いや、ライフスタイルに合わせた贈りものもよいでしょう。

菓子の画像
同僚には、同じ立場の間柄だからこそ、見栄を張ったり、気取った贈りものにせず、人気の定番アイテムを選ぶのがおすすめ。クッキーやチョコレートなどのお菓子は、性別や年齢を問わず幅広く喜んでいただける贈りものとして人気です。
同僚向け出産内祝いの画像
一人暮らしやご夫婦のみのかたには、気軽に消費できて実用的なタオルや石けん、ボディケア用品なども広く喜ばれる定番アイテムとしておすすめです。
避けるべき贈りもの

同僚・部下へ食品を贈る場合は、おいしく食べきってもらうために、贈る分量にも気を配りましょう。お相手が一人暮らしなのかご夫婦のみなのか、お子さまがいる家庭なのかなど、家族構成や人数に合った分量の品物を贈ります。
例えば、小分けのお菓子がたくさん入ったものは、お子さまがいるご家庭なら喜ばれますが、独身のかたやご夫婦のみのご家庭には多いかもしれません。賞味期限内に食べられるかどうかを考えたうえで選びましょう。

社長へ出産内祝いを贈る場合

職場・会社の社長からお祝いをいただいた場合、どのような品物を贈るとよいか、金額の相場やお品選びのポイントをご紹介します。

金額の相場

社長への内祝いは、社長からの個人的なお祝いなのかどうかで対応は異なります。まず、会社の総務や秘書のかたに、ポケットマネーなのかどうかを確認しましょう。ポケットマネーの場合は3分の1程度で贈るのがよいでしょう。高額なお祝いをいただいた場合は、3分の1よりも低い価格帯でも問題ないケースもあります。相場どおりで贈るよりも、お祝いしてくれたことへの感謝をお礼状やメッセージカードに書いて気持ちを伝えましょう。「感謝の気持ち」を伝えるひと品を添えたセットギフトもおすすめです。

お品選びのポイント

社長へのお返しは、金額よりもお品選びが重要です。贈りものをいただくことの多い社長にとっては同じような商品が届けられ、「物置やクローゼットの中が贈りものでいっぱいになっている」ということもあります。社長の趣味や生活習慣を会社の総務や秘書などを通じてリサーチし、使ってもらえるものを選びましょう。

和惣菜の画像
日本人の主食であるお米は、毎日の食卓に並ぶことが多い食品です。とくに和食を好むかたには、上質なお米や料亭の佃煮などを贈ると喜んでもらえます。重量があり見映えもよいため、豪華な内祝いとして人気です。
フルーツの画像
高級感のあるメロンなどが入ったフルーツの詰め合わせは華やかな印象があり、お子さまから年配のかたまで楽しめます。品質にこだわった老舗有名店のギフトセットなら、自信を持って贈ることができます。
避けるべき贈りもの

社長への内祝いには現金や金券は避けましょう。困ってやむを得ず選んだという印象を与えかねません。お相手の好みがわからずお品選びに困った場合は、カタログギフトもおすすめです。
また、肌着や靴、靴下などの生活必需品も選ばない方が無難です。肌着や靴、靴下などの生活必需品を買えないぐらい「生活に困っている」、文具は「もっと勉強するように」という意味に受け取られかねませんので注意しましょう。
また、子どもの名前などが入ったアイテムは避けるのが無難です。

取引先へ出産内祝いを贈る場合

職場・会社の社長からお祝いをいただいた場合、どのような品物を贈るとよいか、金額の相場やお品選びのポイントをご紹介します。

金額の相場

取引先への内祝いの金額は、半額~3分の1程度が相場になります。
連名でいただいた場合でも少額になりますが、「いただいた品物の金額」の半分÷人数を目安に、一人ひとりにお渡しすると喜ばれます。

お品選びのポイント

取引先への内祝いは、一社の複数のかたからなのか、複数の会社の何人かからなのか、個人での贈りものなのかによってお品選びのポイントが変わります。同じ会社の複数のかたの場合は、お菓子などみんなで楽しめるものがよいのですが、複数の会社からの連名の場合は、会社ごとに品物を選んで贈りましょう。

個包装ギフトの画像
取引先のかたがたが、分けたり配ったりしやすい心遣いがポイントです。小分けしやすい個包装で、量が多いお菓子は喜んでいただけます。
プチプラギフトの画像
一人ひとりにお渡しする場合は、少額になることもありますので、その場合はミニタオルなど実用品が喜ばれます。
避けるべき贈りもの

縁切りを連想させるものは避けましょう。例えば、ナイフやハサミのような「切るもの」は縁を切ることを連想させ、縁起が悪いとされています。また、くしは「苦」「死」をイメージさせるため控えましょう。
また、個包装のお菓子などの食品を贈る場合は、自身が務める会社ではなく、テレワーク・在宅勤務などの状況把握が難しいため、賞味期限が短いものは避けましょう。

福利厚生でお祝いをいただいた場合

会社の福利厚生制度でいただいたお祝いには、原則内祝いは不要です。出産祝いの手続きをしてくれた総務のかたなどにお礼をいう程度が自然でしょう。社長と社員の距離が近い会社なら、直接社長にお礼を伝えるのもよいでしょう。

職場・会社のかたから内祝いを断られたら

職場・会社のかたから「出産内祝いはいらない」と遠慮された場合は、上司、部下、同僚、取引先といった自身との関係性を考慮して判断しましょう。まわりのかたで前例があれば、参考にするのもよいでしょう。
会社の上司や目上のかた、取引先のかたの場合、社交辞令かどうかを判断しかねる相手だといえまが、これまでの関係性と、これからのつながりを考えて、出産内祝いを贈るのがよいでしょう。
連名でお祝いをいただいた場合、自身との関係性によって異なる対応をせず、統一することが大切です。

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