「のし(熨斗)」とはあわびのしの略

マナーの専門家
現代礼法研究所代表 岩下宣子先生 監修
のし(熨斗)紙には「表書き」「水引」のそれぞれに意味があり、使い方を間違えてしまうと失礼にあたる場合もあります。大切な品物を正しく贈るための、出産内祝いのマナーを確認しておきましょう。
出産内祝いは、出産の喜びやお祝いの品をいただいたことへの感謝の気持ちを表す贈りものです。のしや水引の使い方にもマナーがあり、感謝の気持ちをお相手に伝えることができるよう、「のし(熨斗)紙」の書き方のマナーを確認しておきましょう。
お祝いの「水引」には結び方や色にも意味がこめられており、用途によって使い分ける必要があります。「水引」の意味を確認し、正しいものを選びましょう。
水引には大きく分けると「結びきり」と「蝶結び(花結び)」の2種類があります。
蝶結びは何度も結び直すことができることから、出産、各種お祝い、中元歳暮など、繰り返してもよい(慶事の)際に使用します。
出産内祝いは「何度も繰り返し喜びが訪れますように」との願いをこめ、結びが解けても、何度でも結び直せる「赤白蝶結び」の水引を使い、のしをつけます。水引の本数は5本、少していねいな贈りものには7本を使う場合もあります。
出産内祝いの場合、「水引」から上側の部分には贈りものの意味を表す「内祝」または「出産内祝」と記載します。
喪中のかたへ「祝」という単語を使用することは控えます。
内祝いはお祝いをいただいたかたへ、感謝の気持ちと無事に生まれたことをご報告をする「お礼」の行為ととらえ、のし書きは「御礼」として贈ります。
出産内祝いの場合、「水引」の下には、赤ちゃんの名前を書きます。
名前が読みにくい場合や、違った読み方ができる場合には、ふりがなつきが望ましいです。一般的には贈り主の名前を書きます。
赤ちゃんの名前をのし紙に書くのは、お祝いをいただいたかたに生まれてきた赤ちゃんからの感謝の気持ちを伝えるためです。また、赤ちゃんの名前をお披露目することもできます。
双子の場合は、右側に先に生まれた赤ちゃんの名前を、左側にあとから生まれた赤ちゃんの名前を書きます。
職場・会社のかたへのお返しに「赤ちゃんの名前まで書くのは控えたい」という場合は、姓だけでも問題ありません。
のし(熨斗)紙のかけ方には「内のし」と「外のし」があります。
厳密な決まりはありませんが、「贈る意味(目的)が相手にわかりやすくなっているかどうか」などを基準にして使い分けましょう。
贈答品に直接「のし紙」をかけて上から包装紙で包むことを「内のし」といいます。「のし紙」が包装紙に隠れる「内のし」は、控えめな印象があり、一般的な返礼品に使われることが多いです。
「外のし」は、包装紙の上から「のし紙」をかけます。お子さまの名前をお披露目したい場合や、贈答品の目的や贈り主がすぐにわかった方がよい場合に使われることが多いです。
基礎知識
出産内祝いの包装紙やラッピングは、厳格な決まりはないため、お相手に合う範囲でお好みのデザインを選んでよいのですが、白×黒、白×銀の弔事に使われる色は避けましょう。また、のしの蝶結びと重ならないようにリボン柄以外であれば、出産内祝いらしい華やかな包装紙も素敵です。
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基礎知識
お礼状やメッセージカードでは、まずはじめにお祝いをいただいたことへの感謝の気持ちを伝えて、続けて赤ちゃんの名前や母子の近況を伝えます。「お返し」という言葉は義務的な印象もあるため、メッセージ内では控えるようにしましょう。赤ちゃんの写真つきのカードなら、お顔のお披露目もできるのでおすすめです。
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